パッケージシステム開発のメリット・デメリット、必要なスキルについて

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パッケージシステム開発のメリット・デメリットと、必要なスキルについて解説します。

パッケージシステムとは、ある特定の業務で汎用的に利用することができる既製のソフトウェアのことです。

例えば、A社が勤怠管理システムを作ったとしたら、これが自社のパッケージシステムになります。
勤怠管理システムを導入したいB社がいたとしたら、A社は1からシステムを作るのではなく、そのパッケージシステムを販売します。

私は官公庁向けのパッケージシステムを開発していたことがあるので、メリット・デメリットと必要なスキルについて解説していきます。

目次

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パッケージシステムとは

パッケージシステムとは、ある特定の業務で汎用的に利用することができる既製のソフトウェアのことです。

冒頭では勤怠管理システムをあげました。

他にも、以下のようなシステムをパッケージシステムとして開発する会社が多いです。

  • 給与管理システム
  • 在庫管理システム
  • 顧客管理システム
  • 人事管理システム
  • 基幹業務システム

などです。

パッケージシステムのメリット

メリットを3つあげます。

メリット1:使いまわしができる

まず大きなメリットとして、一度作ってしまえば使い回せるところです。

勤怠管理システムのパッケージを作って、A社に販売したとします。

それをB社も導入したいと言われたら、1から開発する必要はなく、パッケージを販売できるのです。
(実際には、それぞれの会社用にカスタマイズをしたりするのですが)

メリット2:納品までの期間を短くできる・金額も安くできる

既にあるシステムを販売するため、納品までの期間を短くできます。
こちらはお客さん側のメリットですね。

また、オーダーメイドで1から作るよりコストがかからないため、その分安くなります。

メリット3:1つのジャンルの知識を深めやすい

パッケージシステムを作ると、その会社で1つの分野の知見がどんどん溜まっていきます。
こちらは開発会社のメリットです。

良いシステムを作る上で、その業界の業務を知ることは非常に大切なことです。
この知見が会社の強みになります。

また、パッケージシステムをアップデートしたり何度も何度も修正することで、システムそのものに詳しくなります。

詳しくなると開発スピードが早くなり、少ない時間でこなせるようになり、他の作業に時間を充てることもできるようになってきます。

パッケージシステムのデメリット

続いてデメリットです。

開発者の成長機会が減る・つまらない

同じシステムをずっと保守していくため、開発者の成長機会が減ってしまうデメリットがあります。

修正を行うとき、
「前もこんなことがあったな。あそこ直せばいいんだよな」と、わざわざコードを追わずとも直す箇所がわかってしまいます。

そのパッケージシステムにはどんどん詳しくなるものの、そのままだと開発力は養われません。
当人が気をつけないと、段々と惰性で開発するようになってしまいます。

エンジニアとして成長するのは、やっぱり新規開発と他人のコードを読み取ることが大事です。

お客さんの業務内容に合わない可能性がある

お客側のデメリットです。
パッケージは汎用的に作ります。そのため基本的なところは管理できるかもしれませんが、オーダーメイドではないため、痒いところに手が届かない可能性があります。

時にはシステムに合わせて、仕事のやり方を変えなければならない時もあるでしょう。
(DXは仕事のやり方から変えてしまうため、「変わることが悪」という訳ではありません)

どの業務内容はパッケージシステムで対応できて、どの業務は対応できないのか、システム会社とお客さんの間で話し合っておくと良いでしょう。

パッケージシステムの開発に求められるスキル

パッケージシステムの開発で、特に重要なスキルは「業務の理解」です。
どんな種類の業務があって、その業務の作業順序は何で、何人いて、どんな例外があるのか…などを知っていないとシステム化できません。

また、業務を理解していれば、システムで余計な機能を付ける必要がなくなります。
余計なものがわかれば、工数が減ります。
お客さんの言い分も誤解なく理解できて、満足度も上がっていくでしょう。

では技術力はいらないのか?

技術力がいらないわけではないです。

業務の理解が一番重要とはいえ、以下のようなスキルは必要です。

  • 直す箇所の影響範囲はどのくらいか。無関係なところに影響が出ないか
  • 修正箇所の拡張性はどの程度持たせるべきか
  • 新機能追加時、何をベースに作ったら早く開発できるか
  • お客さんの要求をどの機能で満たせるか、満たせない場合にどう妥協してもらうか

といったスキルです。

このさらに後に、言語やフレームワークの知識が来ます。

これについて異論がある方もいるとは思いますが、私はやっぱり「業務の理解」が一番大事だと思います。

以上、パッケージシステム開発のメリット・デメリット、必要なスキルについて解説しました。

IT業界への転職を狙っている方、パッケージシステムを開発しようと思っている方の参考になれば幸いです。

パッケージシステムを作る会社に転職するには

IT業界への転職で使えるサービスをこちらの記事にまとめました。
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